FIT開始から13年低圧太陽光発電所のパワコン交換が「簡単にいかない」理由
- コーセンテック

- 2025年12月17日
- 読了時間: 3分

2012年7月に固定価格買取制度(FIT)が始まってから、
すでに13年が経過しました。
40円、36円、32円といった
初期FIT単価の時代に開発された
低圧太陽光発電所では、
設備の“経年”が避けられない段階に入っています。
中でも、
パワーコンディショナ(パワコン)について
不安や悩みを抱えている方は少なくありません。
低圧発電所のパワコンは「数で成り立っている」
低圧太陽光発電所の多くは、
出力5.5kW前後のパワコンを
複数台設置する構成
が一般的です。
この構成は、
一部が故障しても全停止しにくい
初期導入コストを抑えやすい
というメリットがある一方で、
交換時期を迎えると別の難しさが出てきます。
「壊れたものから順に交換すればいい」わけではない
よく聞かれるのが、
「故障したパワコンを、順番に新しいものへ交換していけばいいのでは?」
という考え方です。
しかし、実際には
そう単純に進まないケースが多くあります。

パワコン交換を難しくしている現実
① パワコンメーカーの撤退・統合
FIT初期に多く存在したパワコンメーカーの中には、
すでに事業撤退している
同型機種の製造が終了している
といったケースが少なくありません。
その結果、
同じ機種での交換ができない
メーカーサポートが限定的
といった問題が発生します。
② 別メーカーへの「部分交換」ができない場合がある
「では、別メーカーのパワコンに置き換えればいいのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、
低圧発電所では
系統連系の関係で、一部だけ別メーカーに変更することが認められない
ケースがあります。
その場合、
全台を同一メーカーで交換
設備構成の見直し
といった対応が必要になり、
費用や手続きのハードルが一気に上がります。
③ 中古パワコンによる「延命」という選択肢
現場では、
同型の中古パワコンを探し
一時的に交換して延命する
という対応が取られることもあります。
ただしこれは、
恒久的な解決ではない
次の故障リスクを抱えたままになる
という点も理解しておく必要があります。
見落とされがちな「その他の課題」
パワコン交換を考える際には、
以下のような点も絡んできます。
系統連系の取り扱い
設備認定への影響
工事内容と停止期間
他機器(接続箱・配線等)との整合性
パワコン単体の話では済まず、
発電所全体の構成を見た判断が求められる場面も増えてきました。
「交換時期=すぐ決断」ではなくていい
重要なのは、
パワコン交換の時期が来たからといって、
すぐに結論を出す必要はないということです。
今の発電状況
故障の頻度
部品調達の見通し
今後の運用方針
これらを整理したうえで、
延命を選ぶのか
全体更新を検討するのか
将来を見据えて考えるのか
を判断することが大切です。
これから増えていく「判断のタイミング」
FIT初期に建設された低圧発電所では、
これから数年にわたり
パワコンに関する判断を迫られる場面が増えていきます。
これは、
特別なトラブルではなく、
制度と設備の年数を考えれば
自然な流れでもあります。
最後に
パワコンの故障や交換は、
「壊れたから直す」という
単純な話ではなくなってきました。
発電所全体をどう維持していくのか。
どこまで手を入れるのか。
そうした視点で、
一度立ち止まって考える時期に
差し掛かっているのかもしれません。
本記事が、
今後の判断を考える際の
整理材料の一つになれば幸いです。
※ 本記事について
特定メーカー・機種を前提とした内容ではありません
個別案件ごとに条件は異なります
判断の考え方を整理することを目的としています


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